自由行動:リーダー、W太組
 テーマ「ダナン自由行動 鉄旅 by TEAM2000」

海外研修も後半、
ベトナム6日目は3班に分かれての自由散策。

まぁ、
事前に色々と調べて行きたいトコがある人が「こんなトコに行きたい」って目標を持って、
賛同するメンバーと自由散策に繰り出す。

朝食後、
グループごとに散策に出て、
昼御飯を食べ、夕方の企業訪問まで半日ほどのスケジュール。

特に行きたいところも無かったので、
鉄道マニアのW太が目を輝かせて訴える「世界的にも珍しいダナンのデルタ線!」とやらを見に行くことに。
というわけで私ことリーダーとW太の「TEAM 2000」は2人で鉄道の旅へ。

先に説明しておきますと、
このデルタ線ってのは、
ベトナム鉄道のダナン駅西1kmほどに三角形を描いて敷かれている線路のこと。
ただの線路なのですが、これがどうも珍しいらしいのだ。

要は、
スイッチバック出来ない機関車の方向転換のために作られた線路で、
トー○スやチャギ○トンでよく見る持ち上げてひっくり返すターンテーブル方式ではなく、
線路をループ状にして車両の方向転換するための仕組みらしい。

「線路を見たい」とは理解に苦しむが、
見たら何か感動があるのかもと思い、
W太について行く事に。

ホテルからタクシーで目的地までひとっ飛び・・・
とはいかない。

言葉が通じない海外で、
しかも珍しい線路のある位置をどうやって説明するの?っていうのが難題。

たぶん地元の人は誰一人珍しいと思っていないですからね、
普通の線路。

ホテルや観光名所ならまだしも、
特にランドマークが無いただの線路、
うん、
無理。

と言うわけで、
大通りでタクシーを降り、
googleマップを片手にダナンのデルタ線を探索することに。
比較的すぐに線路は見つかったけど、
日本と違って線路の敷居だいぶ低い、
誰でも入れるウェルカムトゥ線路な感じ。

田舎の畦道かって感じで線路どーんっ!

写真で二本の分岐したレールの間にいるのがお判りいただけるだろうか?

左がハノイへの通過線、右がダナン駅

警笛や警告灯とかは無い、
なんなら踏切の遮断機だって手動な勢いだ。

人はモチロン、
猫(犬?)も鶏も涼しい顔で線路を横切っていく。

レールは結構錆びてるし、
鶏なんか列になって歩いちゃってるし、
こりゃ滅多に列車は来ないね。

と余裕こいてたら、
唐突に列車が来るので驚く、
あぶねー。

日本じゃありえない距離感で列車が通り過ぎる、
迫力ありすぎ、
汽笛うるさい。

さっきの鶏は轢かれて晩御飯になったことだろう。

先進諸国には無い、
自分の身は自分で守るのが原則な感じ、
ベトナムっぽい。

間近で電車を見られてW太は大喜び。

本数が少ないらしいので、
列車に逢えたのはまさに奇跡。

実際ぐるっと歩いてみたところ、
三角形の1辺は200m程度と思われる。

左がホーチミン、右はハノイ、手前がダナン駅

ダナン駅側を望む

勿論その三角形の中にも普通に家が建っていて人が住んいでる。

あ、
線路がデルタ状になっていることに、リーダーは何も感慨を受けませんでした!

線路を辿って歩く、

道かどうかも怪しい未知の道なき道を行く。

家を建てているのか壊しているのかわからないような現場がいっぱい。

ダナンは今、
まさに発展途上のど真ん中なのだろう。

ダナンの郊外は汚かった、
ゴミが普通に道路や川に捨ててあって、
臭いもきつい。

日本じゃちょっと考えられないけど、
なんか逆に生活感というか人の生きるパワーを感じる。

普通の家の軒先みたいなトコで半分乾いた肉や魚や野菜が売られている。

ドアを開けている家が多く、
入ってすぐのところで寝てる人や遊んでいる子供が見える。

きっとベトナムには玄関とかって概念そのものが無い。

床に座って御飯を食べている人もいる、
文化の違いすげー。

覗き込んで、
笑って手を振ると振り返してくれる、
みんな笑顔が素直だ。

ダナン駅まで約1km、

線路沿いに歩いて行きたかったが、

途中で道が途絶えて断念。

大通りに出てタクシーを拾おうとするが、
そもそも通りを渡れない。

信号無いし、
横断歩道無いし、
歩行者がいても車もバイクも止まってくれないし。

勇気を出して歩き出すと、
クラクションを鳴らされるけど、
皆止まってくれた。

クラクションは怒っているわけではなく、
挨拶みたいなもののようだ。

なんとか命懸けで通りを渡りきり、
たまたま休憩していたタクシーを捕まえてダナン駅へ。

日本と違って流しのタクシーを捕まえるのは色違いのポケ○ンを捕まえるよりも難易度高い。
領収書出せないよと言われたけど、
もう自腹でもいーやと乗り込む。

タクシーの初乗りは約80円、安すぎません?

ダナン駅前には蒸気機関車が展示されていた、

ベトナムで最大級の出力を誇った141型というらしい。

確かにデカイ、
なんか「銀河鉄道9○9」みたい、
カッコいい。

W太は日本で言うところの入場券を買って駅構内に入ろうと試行錯誤するが、

ベトナムでは乗らない人は改札を通れないらしい、

あーあ、
残念。

そんなこんなでダナン駅を満喫した後、
タクシーで昼御飯の店に移動。

駅前にはタクシーがゴチャゴチャと停まっていて、
何人かのドライバーが自分の車に乗らないかと話しかけてきた。

領収書が出ることを確認し、
その一台に乗り込んだら、
まさかの「あ、やっぱりダメ」みたいな展開に。

ドライバーが残念そうに他のドライバーを呼び、
あっちのタクシーに乗れとジェスチャー。

新手のボッタクリ演出かとドキドキしたけど、
ただ左前輪がパンクしていただけ。

周りのドライバー達がタイヤを指差して笑ってた。

昼御飯は、
さすがにベトナム料理に飽きてきたので、
気分を変えてステーキにすることに。

お店の名前は英語でピンク・スター、
たぶん外資系。

こちらは是非行ってみたいと思っていた店、
ナイスチョイス。

ベトナムの物価は安い、
たぶん高い店でも値段は日本の半分ほど。

肉のボリュームが凄いだけでなく、
他の料理の味も良く、
満足できるクオリティだった。

高級店だと思うけど、
店員さんの勤務態度は微妙。

どこの店も一緒なんだけど、
接客は悪く無いけど、
呼ばれない時は店員同士で座っておしゃべりしてる感じ。

日本じゃ当たり前のラウンドや声掛けみたいなサービスはない。
ただ、
「エモーイ(すみませーんの意)」と呼ぶとすぐに親切に接客してくれる感じなので、
悪気は無いと思われる。

日本の飲食店のサービスは凄いというか、
過剰なんじゃないかなぁと改めて感じる。

店員さんかわいかったので「写真撮らせて」とお願いすると、
恥ずかしがりながらも笑顔をくれる。

サービス過剰の日本では、
たぶんこんな風に写真は撮らせてくれない。

お腹一杯になったところで、
お土産を買いに近くのスーベニアショップへ。

ダナンのお土産としてメジャーなものは一通り揃っていた。

コーヒーとチョコレート、
そしてマッサージオイルを購入。

物価を考えると非常に高級品、
お客は日本人や韓国人ばかり、
たぶん現地人は買わない。

安くて面白そうなものは市場で買おうと決めていたので、
この日は以上で終了。

なんだか行き当たりバッタリで出かけたが、
街の空気みたいなものを肌で感じた。

そこで感じたのは、
街が凄い勢いで変化しているんだという実感。

工事中の道路、
建築中の建物、
凄い数のスクーター、
街中にあるゴミ。

目の前でタバコやゴミのポイ捨てを何度も見た。

たぶん20年くらい前の日本もこうだったんだと思う。
無秩序なのになんだか人は優しい。

にもかかわらず、
Wi-Fiは発達し、
みんな普通にスマホ持ってるという違和感。

なんともいえないノスタルジーとコンテンポラリーがダナンという街の魅力でした。

道端で売ってるバインミー、
食べようと思ったけど、
すぐ横の製造工程を見てやめた。

材料は床に置かれたボウルの中に、
パンが作業台みたいなテーブルの上に素で置かれて並んでた。

ベトナムで生きていくためには、
私はもうちょっと強くならなくちゃいけない。

【完】

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