第1章 C言語とは何か ~ 言語とコンパイラについて ~
それでは、前頁のC言語による記述(リスト1)でどうやってコンピュータが動いてくれるのでしょうか?
そもそもコンピュータは0と1しか理解してくれないと説明したばかりです。 リスト1の記述ですぐに動いてくれるなら何の苦労もありませんし、こんな説明を続けることもありません。 実はコンピュータの世界にも、我々が理解しやすい言葉で記述したものを、機械の理解できる言葉(機械語)に換えてくれる通訳が存在します。 それを図にしたのが下です。
以前、出てきた図に似ていますね。 ご覧の通り、C言語を機械語に翻訳してもらうのと、日本語を英語に翻訳してもらうのも、 あまり違いはないのです。
今ここに非常に優秀な日本語→英語の翻訳ソフトがあったとします。 もし、そのソフトがどんなに優秀だったとしても、あなたがおかしな日本語を使えば、 翻訳ソフトも英語に正しく翻訳できないでしょう。 どう訳していいのかわからなくなって、翻訳の途中でストップしてしまうかもしれません。
実はC言語とは、Cコンパイラと呼ばれる翻訳ソフトが正しく翻訳できるように決められている文法なのです。 但し、Cコンパイラは人間の通訳のように柔軟に考えることができません。 if ( ….. と記述しなければならないところをIF ( …..と間違えただけでも、翻訳を止めてしまいます。 「少しは気を利かせろよなぁ」と思うでしょうが、諦めてCコンパイラに従いましょう。
それでは、さっそくCコンパイラを実際に使ってみましょう。 早くキーボードに触りたくてうずうずしてたことでしょう。
まず手始めに、下のC言語による記述をキーボードから打ち込んでみましょう。 実習では、一般的にエディタと呼ばれるものを使って記述していきます。
しかし、本当はCコンパイラが読める形式になっていれば、 一太郎でもマイクロソフトのワードを使って記述しても構いません。まぁ、普通はエディタを使ってプログラムするので、それに倣いましょう。
– リスト2 –
void main() { }
打ち終わりましたか?
簡単だったはずです。C言語はこの状態で、空っぽ(注2)と言えます。
また、voidの意味は今の所わかっていなくて構いません(本当ですから、安心してください)。
main() は、その後の { から } までが、 このプログラムの中心(文字通りメインですね)になりますよという意味です。まぁ、今のところはプログラムを始めるときの決まり文句と思っていて構いません。
さぁ、それではコンパイル(注3)してみましょう。
その前に、今記述したC言語をファイルというもの(わからない人は講師に聞いて下さい)に 保存しないといけません。エディタの機能の中に、「名前を付けて保存」というのがありますから、 それでファイルに保存しましょう。
また、Cコンパイラに翻訳を頼む時には、一つ決まりがあります。 ファイルの名前を、????????.cというように最後を「.c」で終わらないといけません。 cはもちろんC言語のcを意味します。
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